最近は小説よりビジネス書や資産運用本を愛読してる、あとう(@ato_ganai)です。
村上世彰氏の『生涯投資家』を読んだので、感想とネタばれしない程度の内容をレビューさせていただきます。
Amazonの電子書籍端末をお持ちならKindle Unlimited(読み放題)で購入したほうが安く節約できておすすめです。(※9月30日現在の情報)
電子書籍の入れ替えは不定期ですので、もし登録する際にはご自身の目でかならず事前確認をお願いいたしますm(__)m
お忙しいかたは目次からジャンプできます。
目次(もくじ)
『生涯投資家』は村上世彰の自伝として読むのが面白い
自伝本として純粋に読みました。
『生涯投資家』は村上ファンドの投資スタンスよりも、村上世彰さん(個人)の自伝的な内容です。
投資に対する姿勢も書かれていますが、この本を投資の勉強用に購入する形だとすこし期待はずれかもしれません。
多くの内容が回顧録のため、最新の情報はほぼありあません。
過去の事件や出来事の裏側をのぞける面白さのほうが勝ります。
金融知識はあったほうがより楽しめますが、ふだんから経済小説に触れている読書家も読みごたえのある話の数々です。
【著者紹介】村上ファンドで知られる有名人
作者の村上世彰さんについて簡単にふれておきます。
世間のイメージでは『逮捕』がつよく残っているかもしれませんが、過去には公務員をやっていた経歴もあるなど、私のような野次馬には知らないことがありました。
略歴が簡潔にありましたので、詳細は下記の囲みをごらんください。
むらかみ・よしあき/投資家。1959年大阪府生まれ。1983年、通産省(現・経産省)に入省。国家公務員としてコーポレート・カバナンスの普及に従事する。独立後、1999年から2006年まで投資ファンドを運営。現在、シンガポール在住
(参照:Amazon著者関連ページより)
【内容】村上世彰氏の自伝や企業に対する考え方
『生涯投資家』をネタばれしない程度で簡単にまとめます。
内容は9章の構成です。
【章の構成】
- 何のための上場か?
- 投資家と経営者のコーポレートガバナンス
- 東京スタイルでプロキシーファイトに挑む
- ニッポン放送とフジテレビ
- 阪神鉄道大西編計画
- IT企業への投資
- 日本の問題点
- 日本への提言
- 失意からの十年
そのなかで読み応えのあった章を3つほどピックアップしました。
3つ以外がつまらなかったわけではありませんのでw
(レビュー①)ニッポン放送とフジテレビ
堀江貴文さんとの関係性について言及されていている章です。
ニッポン放送とフジテレビの外側からみた構図や内側からの視点(≒ホリエモンと村上さんの電話のやりとりが語られる)など、人間模様がおもしろかった部分です。
村上世彰さんはニッポン放送株をめぐるインサイダー取引で逮捕された過去があります。
自身の逮捕の心境についても本書ではつづられています。
経済界の象徴的な事件のひとつとして、知っておいて損はない部分だとおもいます。
なおホリエモンの本については【最新】ホリエモン(堀江貴文)の本がおすすめ(理由は圧倒的な知識量)で書評をまとめています。
(レビュー②)IT企業への投資
わからないモノには投資しない、といった哲学が語られている章です。
かといって、IT経営者たちのことを嫌っているわけではありません。
楽天やサイバーエージェント、GMOやUSENなどの経営者&企業について言及されています。
読んでいくと、適度な距離感で付き合っている印象をいだきました。
人脈の広さを知ることのできる内容でした。
(レビュー③)日本への提言
日本郵政をモデルケースに企業のありかたについて触れています。
投資をかじっている身としても勉強になった部分です。
意外だったのは、村上世彰さんが日本の企業に対して見限ったわけではない点です。
ネタばれになるので詳細は書けませんが、著者の信念を垣間見れた章でした。
- 企業価値の向上
- 株主への還元
上記2つを求める姿勢は一貫しているようです。
その他のビジネス書評については、別記事でまとめています。

【感想】投資本というより自伝的ノンフィクション
『生涯投資家』を読むまでは『お金儲けは悪いことですか?』のフレーズが印象的な人物でしたm(__)m
- 投資家の投資に対する信念
- 村上さんの自伝的な回顧録
両方の観点からも楽しめる1冊です。
題名がすこし堅苦しい印象だったせいか、
次作にあたる子ども向けに書いた書籍『いま君に伝えたいお金の話』はひらがなまじりですねw
ん~、悪くないかも?
ただ、日本で堂々と口に出すのは、なじまないのかなぁ~とおもいます。
心の中でひっそり願うぐらいが良いですねw
最後までお読みいただきありがとうございましたm(__)m